フィンランドのログハウス
フィンランドではいま、ログハウスの需要が伸びている、という話。ログハウスが断熱材を極力使わない住宅として見直されている、
というのが理由のようです。
国全体が北海道か、それ以上寒い気候のフィンランドは、
省エネ住宅先進国です。
北海道と同じように、断熱性能をいかにたかく、そして気密を高く、
という家づくりが中心となっているようですが、
一方で、なるべく「木」だけでつくる伝統的なログハウスが
増えている、という流れもあるそうです。
「ログハウス」はフィンランドでは昔からある伝統工法。
車で田舎道を走らせていると、至る所で目にします。
住宅をはじめ、農家の納屋や車庫までログハウス。
佇まいがとても自然で、森と湖の風景にとても馴染んでいます。
工場が納入したログハウスを見せて頂きました。
これはとても立派なログハウス。
このログハウスの正面には雪原が広がっていますが、ここは湖の上。
家の前にこんな景色があるんだったら、
やはりログハウスしかありませんね(笑)。
建築中のログハウスも見せていただきました。
こちらは大工さんの自宅ログハウス。
もちろんセルフビルドです。
窓横のスペースは普通のウレタンで充填し、
窓上の断熱材は、セトリングに対応できるよう、
柔らかいウレタンにして、使い分けているそうです。
大工さんの道具にも興味がわきます。
「マキタ・イズ・ナンバーワン!」だそうです(笑)。
白樺の表皮で造られた小物が何気なく飾られていて、
雰囲気が良いですね。
山での出会い
山に行くと、すれ違う登山者さんに話かけらたり、話しかけたり、
どこから来たのかとか、これまで登ってよかった山とか、
山という共通の話題でしばらく立ち話になることがあって
それも楽しい思い出になります。
7月に登った富良野岳では、
平日午後だったこともあり、富良野岳~三峰山~上富良野岳への稜線では、
人が少なく、前を歩く本州からの女性グループさんも、怖いと言って引き返してしまい、
その後すれ違う人はいなかったから、稜線には私たち二人と同年代くらいの女性との3人だけ。
つかずはなれず、前を歩く女性は要所で立ち止まってくれます。
声を掛け合いながら、心細さを消して歩きます。
下りになる前の上富良野岳頂上で、しばらく立ち話をして、別れたのですが、
下山後に登山届のページを開くと、メッセージが残されていました。
お互いに名前も知らないけれど、登山時刻から検討をつけて頂いたのだと思います。
9月には、緑岳から白雲岳避難小屋にテントを背負って行きました。
二回目のテント泊です。
避難小屋から高根ヶ原を望む先にはトムラウシ山が見えます。
テントを張る場所を探していると、
片づけている方がいて、場所が良さそうなので「帰られるんですか?」と
声をかけると、3年前に新築して頂いたSさんでした。
Sさんはお仕事で大雪山を歩いて調査しています。
ご一緒に記念写真を撮って、使いこなした道具に大きなリュックを背負って、
下山されました。
黒岳でHさんにお会いして以来の山でのサプライズでした。
お客様たちから、登山を楽しまれているお話を聞くことがあります。
中には極められている方も。。。
ログハウス21のお客様同士が山ですれ違っている確率は高いかもしれない。
そう考えると、楽しくなります。
黒岳石室にてテント泊
8月に念願の山中テント泊に行ってきました。
まずは大雪山の中で一番近い黒岳のテン場です。
オートキャンプは何度も何十泊も、もしかしたら百泊以上したかもしれませんが、
自分でテントを背負って山に入ったのは初めてです。ザックは18㌔!
テントから2,3m先では、人間には目もくれず、
リスが忙しく動き回って、キツネは獲物を銜えて走りすぎていきます。
(くわえていたのはナキウサギだった・・・)
野生の世界におじゃまさせてもらっているのです。
目にうつるのは、絶景ばかりで…
山での夕食は日暮れ前、まだ明るい時間です。
夜は管理人さんによる天体観測が行われて…
天の川に流れ星、人工衛星と宇宙ステーションまで肉眼で見えて…
天体望遠鏡で土星も見せてもらいました。
こういうの子供の時に見ることができたら・・・世界が広がるだろうな、
と普段見ることのない星空に感動しました。
お盆中はずっと出勤していたので、
会社のデッキで新しく買った飯盒で混ぜご飯を炊いてみました。
飯盒はスウェーデン製。底が広いと火が均一に回り、焦げにくいのだそうです。
匂いで確認。
軽いおこげ。。。うまくできました。
次回は山でお米炊きたいですが・・・もう9月。
大雪の朝はもう氷点下近くまで下がってくるから、来年かもしれません。
2015年 登山
札幌近郊の砥石山で足慣らしをした後に向かったのがオロフレ山。
天気も良く羊蹄山の眺めが良好でした。
ここから眺める十勝岳はちょっと別世界です。奥に見えるのは表大雪。
このとき、ふもとでは30度を超える気温でしたが、
尾根は風もあり、肌寒いくらいの気温でした。
いつも下から眺めていた山々の稜線を歩いている、
ちょっとした幸せ気分を感じながらの贅沢トレッキング。
思ったより時間がかかって最後はヘトヘトでしたが、
体脂肪率はグイッと下がります。
秋までにあとどれだけ登れるか。
ログの歴史を感じる旅
フィンランド・オウル市街を歩くと、古いログハウスがあちこちにあります。
今も普通に使われているものが多く、
150年くらい前の古い建物がカフェや雑貨店などに利用されていて、
中に入ると、店主らしき人が「カッコいいでしょ!」と言わんばかりの顔つきで
店内を説明してくれます。
ここの2Fは小さなライブスペースがありました。実に楽しそう。
フィンランドの田舎町ではこのような古いログハウスが数多くあって、
今も現役で使われているものや、
廃屋になっても、風景のひとつになっています。
かなり古い(築200~400年)ものなどは野外博物館などに移設展示されていたりもします。
これは昨年訪ねたカヤーニ地方の古い教会。
なんとログハウスなのですが、たしか築150~200年位で、80年位前の改修で
外観は板壁で覆われています。
中に入ると太い丸太で積まれているのが分かります。
すべてハンドカット。。。
現在は、マシンカットログハウスが主流のフィンランドですが、
もともとはすべてがハンドメイド。
今回は足を延ばしてスウェーデンにも行ってきました。
行ってみたかったのはストックホルムにあるスカンセン野外博物館。
ここでは古いもので1470年代に建てられたログハウスの展示がありました。
500年以上経ったログハウスに使われている木の年輪は100年以上もありそう。
この木は芽生えてから一体何年経っているのだろうか。。。
園内にはカフェも点在しているのですが、これもまた古いログハウスを利用していて
雰囲気を壊さないように配慮がなされているようです。
こんなディスプレイもさりげなくカッコいい。
フィンランドも含めて北欧全体には古くからあるログハウスが数多く点在しています。
今ではオールドスタイル、クラシックスタイルとも呼ばれていますが、
この造り方が現代においても見直されている風潮があるそうで、
最新の技術を取り入れたログハウスの製造メーカーが、
現在も何棟も造り続けているのもまた事実。
日本ならば昔ながらの「在来工法」「古民家風」の家を現代にアレンジした家
といったところでしょうか。
変わらぬのは使われている木が昔からその地に生育している
レッドパイン(欧州アカマツ)であるということ。
その品質の良さを再確認することができた旅でもありました。
ログ工場視察
フィンランドのマシンカット工場へ視察に行ってきました。
コンピューターで管理されたラインを少人数で稼働させているので人影もまばらです。
メーカーの社長から製造過程・品質管理の説明を聞き、
実際の加工状況、梱包の仕方などを細かく見てきました。
構造材をそのまま仕上材として利用するマシンカットでは
工場での取り扱い方やレッドパインの品質そのものは譲れないところです。
フィンランドのパインは現在、原料が豊富にある状況で
どんな注文にも対応できますよ、とのこと。供給体制も万全のようです。
今回は工場と営業所にも寄って打ち合わせをしたのですが、
なんとその両方にサウナ室がありました。
メーカーの社長も週4日はサウナに入るそうです。
ここでは別に驚くことではないのかもしれないけれど、
習慣の違いと、
一日の中でそういう時間をもつことの暮らしの豊かさを感じました。
昨年、フィンランドの友人宅を訪ねた時の写真です。
フィンランドでは一般的なサウナ小屋。
小屋の前には湖があって、
サウナから出た後、素裸で飛び込むというのは本当でした。。。
こんな素敵なロケーションにあるゲストハウス。
もちろんサウナ室つきです。
こんなところには、やはりログハウスが似合いますね。
夢の丸太小屋に暮らす
地球丸が出版する「夢の丸太小屋に暮らす」は、
ログハウスオーナーに限らず、ログハウスファンなら、
よく知っている雑誌だと思います。
先日、出張先の街に、木電柱の廃材でつくったログハウスのカフェが
あったので入ってみました。セルフビルドだそうです。
本棚には、「ログハウスプラン」「ウッディライフ」「夢の丸太小屋に暮らす」
など古いログハウス雑誌がたくさんあり、手に取ったのは1991年の夢丸です。
1991年は大学を卒業して、初めて北海道に来た年です。
当時は登山本や釣り本などアウトドア雑誌をたくさん出している
「山と渓谷社」から出版されていました。
愛知県の海の近くの町で育って、千葉の大学に通ったのですが、
ログハウスは身近で見ることはなく、名前は知っているけど見たことがあるのかないのか・・・
意識したことはなかったと思います。
でも北海道に来て、釣りに行ったり、山に登ったり、
そこで見た丸太で出来たログハウスは強烈でした。
「こんな建物があるんだ!」
それからは、別冊ログハウス大全も購入して、
本当に穴が開きそうなほど読んでいました。
セルフビルドで建てたというログハウスの中でコーヒーを飲みながら、
カフェの店主さんも同じ思いで、
ログハウス雑誌を読み込んでいたのだなぁ、
と昔を思い出しました。
アイリッシュ・デュオ
フィンランドの森
フィンランドは森と湖の国ですが、
北海道とは違い、多くは山ではなく、
緩やかな丘陵地帯に森林が形成されています。
私が行った森は欧州赤松(いわゆるパイン)の森で、
ほとんど人の手入れがなされていない森ということでしたが、
まるでキチンと整備されているかのような佇まいでした。
太陽の光が地面まで良く届いていますね。
間伐はおよそ100年ほど前にしたと聞いている、とのこと。。
しかし、雑草の背丈が低いですね。下草刈りもやっていないそう。
ベリーの実がたくさん成っていました。
案内してくれた友人が所有しているサウナキャビン。
この角度は絵になります。
私が指差している高さが1メートルちょっとくらいでしょうか。
この高さになるまでに約15年くらいかかるとのこと。
この太さで約80~100年。
つい先日あった強風で、倒れたパインの木を見せてくれましたが、
確かに、年輪は数え切れないほど密です。
ゆっくり育つことが年輪を密にさせるのですが、
理由は二つ。
寒い地域であることと、土壌の悪さ(と言っていいのか分かりませんが)、だそうです。
これがその土。土というより砂浜の砂のような感じです。
でも木は育たないわけではなく、
育つのに必要な条件は最低限あるということなのでしょうね。
絶妙なバランスです。
これがサウナキャビン。スモークサウナらしく、入口や中まで丸太は
ススで黒くなっていました。入っている人間も真っ黒になるんでしょうか?
入るか?と言われそうで、聞けませんでした。