木の家が落ち着く理由~明度との関係
一番明るい色は「白」
白は清潔な色。
日本人は、白が好きな人が多いといわれているそう。
ログハウス21のつかう自然素材には、内装仕上げの漆喰や珪藻土に白がある。
もう少し丁寧にいうと、
黄みを帯びたごくうすい灰色とか
赤みを帯びた黄みのごくうすい灰色などで、真っ白ではないのだが、
色の面積効果で白に見える。
光の反射率が高く、室内を明るくする効果が最もある。
明るい空間は気持ちがよいですよね。
色彩心理の分野では、
白色は緊張感や疎外感を持ちやすく
コミュニケーションに影響があると言われているのだそうです。
カフェやレストラン、リゾートやサロンなどの非日常空間は例外ですが、
人は真っ白な空間に長時間居ると疲れてしまうのだそうです。
こころや体を落ち着けるためには、ある程度明るさを抑える必要があるのです。
明るさを表す尺度を明度といいます。
明度1.0~9.5 黒が1.0、白が9.5 数値の高さは明るさを表します。(*1)
高明度(およそ9.5~7.5)中明度(およそ7.0~4.0)低明度(およそ3.5~1.0)
他に色味(=色相)、色の強さ(=彩度)という尺度がありますが、
明度だけで素材をみると、
ログハウス21で採用する無垢材では、
パイン材はやや高明度寄りの中明度、レッドシダーは中明度
(パインは経年変化で中明度に移行します)
なるほど、
定期的に見学会を開催する物件では、
一階の、高明度の漆喰で仕上げた明るい吹き抜けのダイニングでは、
「明るくて気持ちがいいですね」との感想を多く頂きます。
二階の、中明度のレッドシダー張りのリビングでは、
「変わってる」「これは樹種は何ですか」というのが最初の感想ですが、
腰を落ち着けてゆっくり過ごされた後に、
「落ち着く」「とても居心地がよい」との感想を頂きます。
建築地の採光条件や、どのように使われる空間なのかによって、
明度の(素材の)バランスを計画することも大切だと考えています。
(*1)マンセル表色系より