月別アーカイブ:1月 2009

木肌の質感と表情

1枚のレッドシダー(外壁材)の表と裏です。
どちらが表なのか分かりますか?
①は表面がラフに仕上げてあり、②はカンナを掛けています。

①ラフ面
②プレーナー(カンナ掛け)面
正解は①のラフ面。
原産地であるカナダやアメリカでは、
表面がザラザラのラフな面を表として使う価値観があります。
『木』の質感を生かすために、極力手を加えないラフな状態のままが良いと
いうことなんでしょうね。
ログハウスも素材そのままを使用する建物。
レッドシダーのラフ面は、丸太との相性も良く、
ログハウス21でも外壁にはラフ面を表にして使っています。

ラフな表面は光の反射がやわらかく、
陰影がつくので落ちついた味わい深い表情をかもし出します。
塗装も染込みが深くなるので、防腐効果が高いといわれております。

しかし日本では、ラフ面ではなくカンナ掛けされた面を表にするのが標準のようです。
あらかじめ言っておかないと、このレッドシダーの裏表を
逆にして貼ってしまう大工もいるそうです。
また、建築に使用される『木』というのは節がなく色幅も少ない方が良いとされる
価値観が昔からあります。確かにきれいなんですけどね。
平面的というか、表情が感じられない。。

実際は、木の表面がザラザラしていたり、形が不揃いであるとか、
節や色幅があったりしたほうが、本来の木の質感や存在感を
感じることができると思うのです。つまり、より自然な状態に近い材料や、
素材を生かしたもののほうが心地良かったりする。これはログハウスが
好きだと思う感性と同じですよね。

外壁には木の質感を感じられるようにラフ面を施工して、

人が触れることが多い内装には、プレーナー面を使用します。

プレーナー面でも、節や色幅があると、木の表情を感じることができます。

「木の家」と呼ばれる建物はたくさんありますが、
その中で「あ、この家いいな」と直感的に思うのは
木の存在感がたっぷり感じられる「木の家」なんです、私の場合。

2009-01-26T19:01:00+09:002009.01.26|無垢材・丸太・自然素材|

本物の重み

築78年の木造住宅にお伺いする機会に恵まれました。
新築当初から代々引き継いで住まわれており、
今も住宅として普通に使用されています。
一部補修したり補強した部分もあったそうですが、
そのほとんどは、新築当時の素材がそのまま残っているそうです。

私の関心はやはり『木』が醸し出す経年の重み。
この雰囲気は10年や20年では出せません。


ドアの取っ手金物も78年間使っているとのこと。

階段や廊下、床や建具にもふんだんに木を使っていました。外壁も木です。

『木』という素材の良いところのひとつは、使い込まれると表情が変化し味わい深くなること。
新築時から時を経て別の雰囲気が生まれてくることだと思っています。
それは突然ではなく知らず知らずのうちにそうなってくるものです。
人が年を重ねると見た目は老けて(古くて?)も人間味が増してくるのと似ていますね。
永く大事に住まわれてきた人の気持ちが、家に込められているのだとも思います。
本物の木の家だからこそ、それができるんですね。

2009-01-20T12:01:00+09:002009.01.20|無垢材・丸太・自然素材|

木の家に暮らすということ

普段忙しく生活をしているなかで、家の
メンテナンスやお手入れはなかなかできないもの。

でもログハウスに住むようになったら
それがちょっと変わるかもしれません。

例えば自分ができる範囲で外壁の塗装をしたり、
デッキの塗装をすることは、永く住むために、
家を慈しむという気持ちを芽生えさせます。
木肌や木の香りに触れることで五感が刺激され、
人の成長に良い影響を与えるともいわれています。

私も子供のころ、父親が造った縁側(今でいうウッドデッキ)を
父と兄とで一緒に塗装した楽しい思い出があります。

木の家、ログハウスに住むということは、
家のお手入れも生活のなかの一部で、
釣りやキャンプ、庭づくりや畑作業と同じように
楽しんでもらいたいのです。
もちろん、木の家に安心して暮らしていただけるように
我々のほうでも自主的に決めた点検とメンテナンスを行っています。

できるだけお手入れが少なくて済む木の家を造ることはできますが、
それでは木の魅力も少なくなってしまうと思うのです。
構造や仕上材にも木を使い、そこに住まうご家族が
木肌のやらわかな質感、やさしい表情を充分に実感できる
木の家をログハウス21は造っていきたいと思っています。

2009年もどうぞよろしくお願いいたします。

2009-01-07T18:55:00+09:002009.01.07|メンテナンス|