三角屋根なのに無落雪とは
正確に言うと「落雪防止措置屋根材」です。
現在建築中のP&B住宅の屋根は、
三角屋根だけど落雪防止措置の屋根にしました。
理由は土地を有効利用するため。
屋根の勾配面に対して垂直に立っている板金が、
落雪を止めるのです。
こんなふうになっている屋根のことを『ストッパールーフ』といいます。
このほかに、『雪止め金具』というのも住宅街ではよく見かけますね。
落雪防止措置仕様にすると、敷地の境界線に近づけて家を建てることができるので
無駄な堆雪スペースを設けなくて済むのです。
しかも屋根から落ちた雪の雪かきをする手間がかかりません。
さらに屋根が高いと、下に人がいる場合はとても危険です。
雪が乗ったままになっても大丈夫なようにしっかりと屋根を造り、
板金を加工するなどの費用が普通の屋根よりもかかりますが、
落雪防止仕様にするメリットは結構多いのです。
ハンドカットログを訪ねて
築17年のハンドカットにお住まいのMさまを訪ねました。
ご自宅は本州にあるのですが、毎年春から秋にかけて
こちらのログハウスに来て北海道を満喫しているとのこと。
このログハウスのほかに、
自分で造ったという資材置き場やサウナ室がありましたが、
こちらでの生活は、お庭での畑仕事のほかに、
ログハウスのメンテナンスや、大工仕事にと忙しくも楽しそうです。
あらゆるメンテナンスをほぼ全て、ご自分とご家族で
こなしてきたというMさま。
いちばんの驚きは、
つい最近も、デッキのログ階段を自作したというMさまのお年がなんと、
80歳を超えているということです・・・。
「もう引退です」とおっしゃりながらも、
「ああしたい」「こうしたい」と
まだまだやりたいことがいっぱいあるようです。
これはもう脱帽するしかありません・・・。
帰りに、奥さまがつくったトマトソースをお土産に頂きました。
もちろん、お庭で採れたトマトからつくったもの。
早速ご飯にかけて食べましたが、
チョーおいしかった!
パスタにもバッチリでしたよ~^^
コンクリートの変化
札幌市内のP&B住宅。
加工場ではログ&製材加工が行われていますが、
基礎工事の方はほぼ完了しました。
予定より少しだけ遅れて10月初めにログ建込をします。
基礎に使うコンクリートは、非常にゆっくりとしたスピードで
強度が出るという特質を持っています。
生コンを打設(型枠の中に流し込むこと)してからの硬化力は、
3日後で25%、7日後で45%、28日後で80%、3ヵ月後で90%
と言われています。100%になるのはなんと、3年後だそうです。
なんかログハウスに似ていますね。
ログの乾燥が落ち着くまでに2~3年はかかりますから、
ちょうど3年くらい経ったときにログハウスが
いちばん良い状態になる、ということも言えるのではないでしょうか。
目には見えないけど、
コンクリートも変化しているのです。
P&B屋根工事
新十津川P&Bの現場にいってきました。
9月にはいってから雨の降る日が続いてましたが、
昨日も天気はややグズリ気味。
早く屋根をかけちゃいましょう、ということで屋根から先に取り掛かることに。
工事の序盤は天候に左右されやすいので
綿密な段取りとすばやい動きで、早く雨風をしのげる状態にすることが最優先です。
丸太は少々雨に当たったぐらいでは問題ありませんが、
雨が降ったときに屋根がないと大工の仕事が進みません。
そしてこの屋根工事が進んでくると、
家全体のかたちが見えてきて、いよいよ『家』らしくなってきます。
さらに明日からは、屋根の板金工事がはじまります。
この時期は、次々に家のかたちが造られていくので、
見ていても飽きません。
イメージの共有
新十津川P&Bの外壁は塗り壁。
その色を決めるのにサンプルをつくった。
来週お客さまに見ていただき、色を決定してもらうことになっています。
外観なので、外壁の色のほかに屋根とログ、窓の色も一緒に決めることになるのですが、
これに役立つのがパソコン。
今ではもう珍しくもないが、図面に色をつけたり写真を加工して
完成イメージをつくることができる。
これと、現物のサンプルや施工例写真を見ていただき決定してもらう。
色の組み合わせにはある一定の法則があるので、
弊社の方でお客さまから「こんな風にしたい」というイメージをお聞きして、
それに従っていくつかのパターンを提案することからスタートします。
こんな風にしたい!っていう雑誌などの切抜きがあると分かりやすいかも。
実はお客さまと最初にお会いした時からそうなんですが、
家造りはまず、どんなログハウスにしたいか?のイメージを
お互いに共有することから始まるのです。
頼むぜ、神様!
降りそうで降らない天気の中、
札幌P&Bの基礎工事、埋め戻しに立ち会ってきました。
『鎮物』を家の中央部、地面の深いところに埋めてきたのですが、
写真に残すのを忘れてしまいました。。
基礎の上に乗っかってる小さい箱はたぶん見えないと思いますが~、
これを埋めたのです。
『鎮物』(しずめもの)とは、土地の神霊を和めるために捧げるお供え物のこと。
小さな箱の中には、人や矛、盾、鏡の形をした金属製のミニチュアセットが入っています。
地鎮祭をやればこの『鎮物』は省略されることが多いのですが、
今回の現場は、地鎮祭をやったときに神社から頂いていたので、
あらためて、『鎮物』を埋めて、土地の神様にお祈りを捧げました。
逆に、地鎮祭を省略する代わりに、この『鎮物』を埋めて済ませることもあるんです。
これから建つ家とそこに住む人を、
土地の災害から守ってくれるってことだと思うけど、
これだけやっとけば大丈夫でしょう(笑)。
神様、よろしく頼みますね~
ログハウスしかない!と思ったワケ その6
新人の頃の私は、ハンドカットこそログハウスだ!と思っていて、
マシンカットやポスト&ビームにはさほど興味が持てなかった。
丸太がふんだんに使われていないから、やっぱり物足りなさを感じてたのだろう。
ハンドカットは野性味にあふれ、ワイルドな感じがたまらなく良かった。
でも、少しずつプロジェクトに参加させてもらい
ポスト&ビームやマシンカットの加工や組立を経験するようになると、
徐々にマシンカットやポスト&ビームにも、魅力を感じるようになった。
そして自分が手がけた物件の完成を目の当たりにすると、
それがハンドでもマシンでもPBでも、これが一番!と思っていた(笑)。
実際の施工に携わることで、施工例や雑誌を見るだけでは感じられない、
それぞれに良いところを知ったからだ。
数年して、プロジェクトのリーダーを任されるようになると、
自分の家を造るような気持ちで取り組むようになった。
何回も穴のあくほど図面を見て、完成をイメージしながら仕事をした。
そうすると途中から図面を見なくても、建物の詳細が頭の中に入っているので、
人から聞かれてもすぐにどうすれば良いかを指示することができるようになった。
そんなことを繰り返しているうちに、
どのログスタイルで建てるのが良いのか?ということよりも、
「住まい」としてのログハウスはどうあるべきか?
ということを考えるようになっていった。
素朴な山小屋も好きだが住宅地に建つログハウスもいい。
ログハウスといえども「家」であり「住宅」である。
木が好きな人や自然を愛する人が、一日が終わって帰る場所を
居心地の良いログハウスに求めるのは必然であると思う。
ログハウスを造る仕事をするようになって初めて
「家」を造ることの意味について考えるようになったのだ。
この世界に入る前に抱いていたログハウスへの想いが、
よりいっそう自分の中で深まっていくのを感じていた。