築78年の木造住宅にお伺いする機会に恵まれました。
新築当初から代々引き継いで住まわれており、
今も住宅として普通に使用されています。
一部補修したり補強した部分もあったそうですが、
そのほとんどは、新築当時の素材がそのまま残っているそうです。

私の関心はやはり『木』が醸し出す経年の重み。
この雰囲気は10年や20年では出せません。


ドアの取っ手金物も78年間使っているとのこと。

階段や廊下、床や建具にもふんだんに木を使っていました。外壁も木です。

『木』という素材の良いところのひとつは、使い込まれると表情が変化し味わい深くなること。
新築時から時を経て別の雰囲気が生まれてくることだと思っています。
それは突然ではなく知らず知らずのうちにそうなってくるものです。
人が年を重ねると見た目は老けて(古くて?)も人間味が増してくるのと似ていますね。
永く大事に住まわれてきた人の気持ちが、家に込められているのだとも思います。
本物の木の家だからこそ、それができるんですね。