ログ最上段
道南杉ハンドカットは最上段を加工中。
壁積が終わると、窓まわりとログエンドをチェンソーでキレイに
切りそろえていきます。そのあと、サンダーで磨いて加工完了となります。
丸太をそのまま使用するハンドカットログハウスは、
いわば「究極の木の家」。丸太を井桁に組んで
積み上げていくだけというシンプルな構造でありながらも、
地震にはめっぽう強い建物であると言われております。
ただ積んでいくだけではなく、横ズレ防止のために
上から下までを貫通させたボルトを各所に配置したり、
「ダボ」といわれる鉄の棒をログ壁の中に数百本単位で埋め込む
処置をしているので、少々のことではビクともしません。
ハンドカットログハウスは、
見た目にも丈夫そうな印象がありますが、
実際の構造も頑強に造られているんです。
道産ハンドカット
7月から道南杉を使ったハンドカットの加工が始まります。
杉はテーパー(元口と末口の径の差)がキツイといわれますが、
今回の杉はそうでもなく、ハンドカットを組むのには文句のつけようがないほど
良い丸太が入ってきました。
思わずほお擦りしたくなるような原木たちですが、
汚れそうなので手で感触を確認。
ダグラス(米松)と違うのは木目の優しさ。
そして辺材と芯材の違いがハッキリしていること。
心材まで削ったところが和風な感じに見えるかもしれませんね。
加工風景は随時アップしていきます。
というわけで、
7月~8月は北広島加工ヤードでハンドカットの組上げを見学することができます。
ハンドカットの迫力を間近で体感したいという方は、ぜひこの機会にお越し下さいませ。
ログ材誕生の瞬間
原木の伐採現場に立ち会ってきました。
ほとんどの現場は輸入原木であるダグラスファーを使っていますが、
今回の現場はお客さまの、「ダグラスファーのように硬くなく、音の響きにくい木で」
というリクエストに応えるべく、道内の山で原木を探すことになったのです。
そのおかげで、珍しく伐採前の原木を下見する機会に恵まれました。
とある山の中、伐採業者の案内で辿り着いたのがこの場所。
手入れの行き届いた林の中で、まっすぐ伸びた大木の姿に感動していると、
目の前で切り倒しが始まりました。
あっという間に倒れた大木の樹齢は約70年。
こんなにも長く生きてきた木をこんなにも簡単に切り倒して、
そして何本も使うなんて・・・
正直、ちょっと重たいというか、厳かな気持ちに包まれました。
しかし、このように手入れされた木々たちは、建築用に使われるために
植樹されたのであり、その木を使ってログハウスを造るということは、
いわば畑から採れる農作物を使って料理をするのと同じこと。
つまりここにある木々たちは、ログハウスに使われることによって、
その本来の使命を全うするということなんです。
だからこうして、目の前で倒れている70年生の大木は、
私にその使い方の責任の重さをあらためて気付かせてくれました。
ここで命を終えるのではなく、ここからログ材として生まれ変わるのだと。
だから今回は、そういう意味でも、山を見に来てとても良かったなと思いました。
一方で、
丁寧にそして淡々と手入れをする伐採業者の方もまた丸太を扱う『Logger』です。
ログハウスが完成したら、今回案内してくれた人に写真を送ろうかな。