ポスト&ビームのメンテナンス
8月下旬に、ポスト&ビームの塗装メンテナンスがありました。
新築後は無垢材に水分もあり、塗料の浸みこみは不十分ですが、
乾燥が進む新築後2~3年目に再塗装することは、
塗装のノリもよく、今後丸太や無垢材をいい状態で維持するには、
いいタイミングです。
築2年8か月。
板貼りも丸太も、塗装はまだのっていましたが、
表面にはプツプツとヤニが出ていて、
この部分をメンテせずそのままにすると、汚れや水がつきやすく
傷みがでる原因にもなります。
サンディングといって、
丸太や無垢材の表面をペーパーでこすり、
ヤニや汚れを落としてから塗装します。
塗装メンテナンス
築三年をむかえたモデル住宅では、塗装メンテナンスがはじまりました。
新築後2~3年目でログや板壁の最初の塗装メンテをしたほうがいいですよ
とお伝えしています。
新築直後は、ログも無垢板も水分を多く含んでいるために、
塗装のノリはログハウスにとっては、ベストとはいいきれません。
2~3年経って、乾燥すると、塗装のノリはベストの状態になり、
より紫外線や風雨、雪から守り、(建築地の気象条件により異なりますが、)
その後のメンテナンスが軽減すると考えています。
(メンテナンス時期は建築地の気象条件により異なりますが・・・)
ログハウスに興味のある方で
どんなふうにメンテナンスをするの?・・・と気になる方は
ご連絡ください。[#IMAGE|S30#]011-375-4651
メンテナンスは今週いっぱいです。
19年目のハンドカットログハウス
平成2年、弊社がログコテージ建設を担った
美深(びふか)アイランドのハンドカットログハウスのコテージ4棟です。
昨日、道北方面への出張で時間ができたので立ち寄りました。
美深アイランドは、温泉施設のすぐ側に、
木立や芝生が心地よい、清潔なトイレと炊事施設を完備したオートキャンプ場です。
この時期の平日にして、すでに10組以上のキャンパーさんが、ゆったりと流れる時間を
楽しんでおられました。
平成13年に弊社によるメンテナンスと、
平成19年に美深町が自己メンテナンスを行っています。
ログハウスの維持管理に換気は重要です。
住宅としてのログハウスは、人が住むことで、
家が温まり、対流や換気が自然なかたちで行われます。
別荘やコテージでは夏の湿気対策のために、
室内の換気扇を入れたり、床下の換気口を開け、
家全体の風通しをよくすることがとても重要になります。
ハンドカットログハウスはたくさんの丸太を積む工法でつくられています。
冬に、しばらく誰も使わずに暖房も入っていないと、ログは冷え、
温まるまでに時間がかかります。
一度温まると冷えにくくなります。
それは丸太の特長であり暖かさの理由のひとつでもあります。
19年目に入ったハンドカットログハウスは、
美深の自然によく調和し、堂々たる佇まいでした。
住宅瑕疵担保責任保険
2009年10月1日引渡し物件から、
住宅施工業者に住宅瑕疵担保責任保険への加入義務が生じることになりました。
『住宅瑕疵担保責任』とは簡単に言うと、
住宅に不具合がおきた場合、定められた必要義務に応じ、
修補する責任を負うこと。
その修補する費用を我々住宅施工業者が確保することが法律化されたのです。
家づくりは、新築お引渡しが最終段階ではないのです。
設計~施工~引渡し~維持管理まで、
施工業者側が真摯な対応を心がけていれば、法律はできなかったでしょう。
近年は、住宅やマンション建築おいて、信頼を損なう大きな事件があったため、
このような法律で建主を守ろうというものです。
ログハウス21では、2009年着工物件より加入しています。
この「住宅瑕疵担保責任保険」に入るためには「現場検査」を受け、
それに合格しなければなりません。
工事が始まってから、最初の現場検査は基礎工事の「配筋検査」です。
鉄筋の仕様と、配筋のピッチや補強すべき部分の組み方などを確認します。
コンクリートを打設すると見えなくなってしまう部分なので、
立会い検査をした上で、記録写真を残しておくのです。
「配筋検査」の次は「躯体工事の完了検査」です。
概ね屋根が完成した段階で行う検査ですが、
使用している材料や金物の取付などを確認します。
これも、仕上材を貼ってしまったら見えなくなる部分なので、
大事な確認作業となるのです。
住宅現場においてはここ数年、「住宅瑕疵担保責任保険」のほかにも、
消費者保護と長期優良住宅の観点から、
様々な新しい法律が施行、もしくは改正されてきました。
公的な現場検査は、このほかに行政による完了検査で終わりですが、
住宅金融支援機構の「フラット35」を利用する場合には、
これまでの検査のほかに「設計審査」があり、融資対象物件への
厳しい事前チェックがなされるのです。
非常に良い方向であると思うのですが、
同時に、ルールが増えることによって造る家の形が
規格的になりはしないかと、少し心配するところもあります。。
とはいえ、ログハウス21では不合格の物件がでたことはひとつもありません。
現場検査は最低限守らなければならないルールのひとつ。
そのルールの中でログハウス21は、
「我が家だけのオリジナルな家」を造っていかねば、と思っています。
丸太を使うログハウスは、一般木造住宅が使っている材料よりもはるかに太い材料を
使っている構造体であり、金物も特注で作らせた太いものを使用しています。
ログハウス21が造る家は、「検査合格」よりもひとつ上の安心感がある建物、なのです。
メンテナンスはどこまで軽減できるのか
もしかしたら、必要以上に臆病だったということになるのだろうか。
木が本来もつ耐久性をもっと信じるべきなのかもしれません。
先日、とある建築セミナーを受けそんな気になりました。
「木の家」はメンテナンスが大変、というイメージをお持ちの方は多い。
実際、我々もメンテナンスの指針を持ち、板壁を塗装をしたり、
丸太に隙間が空いたら埋めたりと定期点検と定期メンテナンスを行っている。
さて、そのセミナーで紹介された「木の家」では、北海道産材を外壁に
使っているのですが、この10年一度も塗装メンテナンスをしていないというのです。
その耐久性を保つためには、施工にいくつかの注意点がありましたが、
長年木の家をつくってきた私たちにとっては、どれもあたり前に施工して
いるものでした。
要は雨が降っても常に木が乾燥するように施工すればいいのだと。
確かにそうだ。木は乾燥していれば傷むことはない。
でも塗装メンテナンスをしなければ木は日に焼けて退色する。
それについても講師は、経年変化の当然の現象として
なんでもないことのように話している。
しかし理論上、常に乾燥しやすい状態で施工されていれば
木は腐らないのである。板壁はそれが可能なのだ。
講師は、無垢材よりも塗り壁のほうが
よほど汚れが目立ち、傷みやすいともおっしゃるのです。
我々は木の家に対するメンテナンスについては、
もう少し大らかであってもいいのかもしれない。
これまでよりも軽減できる方法がありそうなのです。
木の家に暮らすということ
普段忙しく生活をしているなかで、家の
メンテナンスやお手入れはなかなかできないもの。
でもログハウスに住むようになったら
それがちょっと変わるかもしれません。
例えば自分ができる範囲で外壁の塗装をしたり、
デッキの塗装をすることは、永く住むために、
家を慈しむという気持ちを芽生えさせます。
木肌や木の香りに触れることで五感が刺激され、
人の成長に良い影響を与えるともいわれています。
私も子供のころ、父親が造った縁側(今でいうウッドデッキ)を
父と兄とで一緒に塗装した楽しい思い出があります。
木の家、ログハウスに住むということは、
家のお手入れも生活のなかの一部で、
釣りやキャンプ、庭づくりや畑作業と同じように
楽しんでもらいたいのです。
もちろん、木の家に安心して暮らしていただけるように
我々のほうでも自主的に決めた点検とメンテナンスを行っています。
できるだけお手入れが少なくて済む木の家を造ることはできますが、
それでは木の魅力も少なくなってしまうと思うのです。
構造や仕上材にも木を使い、そこに住まうご家族が
木肌のやらわかな質感、やさしい表情を充分に実感できる
木の家をログハウス21は造っていきたいと思っています。
2009年もどうぞよろしくお願いいたします。