職人にもよりますが、ポスト&ビームの丸太を刻む場合、一度に2~3本を1人でまとめて仕上げることが多いです。

丸太を簡単に動かせない分、自分が動かなければならないので、その動きを少しでも少なくするためです。

自動車や、電化製品の工場などでは、色んな工程を1人でこなすことができる職人がいて、工程によっては分業で流れ作業にするよりも、早くて高品質なものができる、というようなことを本で読んだことがあります。

人間でなければできないこと、っていうのは、一見すると、非効率のような感じがします。でも、人の手でなければできないこと、というのがあって、人がやるから、そこに工夫が生まれ、無駄がなくなるのです。無駄のない人の動きというのはある意味美しいし、それによって造られたものもまた美しく仕上がるのです。

手間をかけるほどいいものが造れる、ということもありますが、常に工夫し、無駄のない動きができることも「いい職人」の条件だと思います。