先日、ログハウス21も参加している『木育くファミリー』が主催する

堂宮大工 北村智則さんのお話を聞く会に行ってきました。

北村智則さんは、竹中大工道具館の技能員で、

薬師寺や法隆寺の堂宮大工として知られる西岡常一棟梁の孫弟子さんです。

ポスト&ビーム住宅は、木造軸組み工法の真壁作り。

太い丸太を梁と柱をつかうことも

寺社仏閣の建て方と似ています。

北村さんが、家大工ではなく、宮大工の道へすすんだお話から、

最近の神社仏閣で使われる樹種や、さまざまな樹種の特性について、

そして、宮大工がつかう槍鉋(やりがんな)の実演をしてくださいました。

やってみたい!と思っていたので

「誰かやってみたい方はいますか」とおしゃってくださったときには、

迷わず「はいっ!」と一番に手をあげて・・・指導していただきました。

槍鉋をつかうのは初めてです。



私:「削る技術は何度もやるとできるようになるかもしれませんが、

水平になったかどうかがわかりにくいです・・・相当な経験が必要なんでしょうか。。。」

北村さん:「そうですね、だぶん・・・、わからないでしょうね。

完璧な水平はむずかしいでしょう。」

国産檜(木曽檜は最高級)や台湾檜が採れなくなってきていて、

お寺などの建築には、檜のほかに米ヒバ(イエローシダー)がつかわれる事もあるそうです。

イエローシダーはログハウスにも使われますが、かなり高価なものです。

しかも宮大工が扱う大口径の丸太は長くて重たいので、切り込みを間違えないように

細心の注意を払って木に向かっているのだとか。

当然、柱の建て方や仕口の組み方に、丸太の元末の方向が決まっているので

材を見て使う場所を決める、というのも重要な仕事のひとつだそうです。

また人工乾燥はしないそうです。その理由は、

コストの面や、あくまでわたしの(北村さん)感じ方ですが・・・と前置きした上で、

人工乾燥材だと鉋で仕上げてもツヤが出にくいというか、ポソポソとした表面になって、

仕上がりの質感が違うような気がするのだそうです。

木を扱う仕事人として、興味深く、納得できるお話ばかりで、とても充実した時間でした。