普段口にする『屋根』という言葉。
「屋」は家屋のことだから良しとしても、なぜ家のてっぺんにあるのに
「根」がつくのだろう?

それにはちゃんと理由がありました。

日本史の教科書に出てくる縄文、弥生時代の竪穴式住居を思い出すと
合点がいきます。そう、屋根が地面(根)にまで達しているのです。
屋根がそのまんま家だったんですね。屋「根」はここからきたのです。

ちなみに、こういった古代の住居には「壁」がありません。
自然素材で造られる三角形の形をした家は、シンプルでしかも
日本の気候風土には最も適した造りだったんでしょうね。

この屋根が地面から離れていくのが平安時代の頃からです。
それでも、木造文化だった 日本では、「軒」を深くして風雨と紫外線から
家屋を守るのが家造りの基本、という時代が長く続いたのです。

現代の住宅はというと、狭い地域に密集して建てるので、
申し訳程度にしか軒のない家が多くなりました。軒がないと逆に、
太陽が家の中にまで入ってきて明るくていいのですが、その分紫外線の
影響で外壁材が劣化しやすいということがあります。

もちろん、風雨にもさらされやすいということでもあります。
最近では、高耐久のタイルやコンクリートの家もありますが。。。

突然の雨に軒を借りて雨宿り、なんていう風情のある話も、
もう聞かれなくなりましたよね。

だから、木の家はできるだけ軒を深くして屋根を大きく、というのが
本当は良いのです。ログハウスの屋根が他の住宅よりも大きく見えるのは、
三角屋根と言うこともありますが、軒が深いからなんですね。

屋根が、ログを風雨と紫外線から守ってる、というワケです。

参考:建築言葉ウラ読み事典(木山悳世 住宅新報社)