本棚
昨年、Dログのお引き渡しをしたお客様のお宅へ、
注文を請けて制作した本棚の納品に行って来ました。
事前に打ち合わせて、入れる本の種類や大きさなどを聞き、
サイズを確認しての無垢材オーダーメイドです。
建築用無垢材は材料の経年変化がありますが、
無垢材は質感が良いし、
集成材やランバー材の本棚よりはログハウスに合うと思います。
昨年、Dログのお引き渡しをしたお客様のお宅へ、
注文を請けて制作した本棚の納品に行って来ました。
事前に打ち合わせて、入れる本の種類や大きさなどを聞き、
サイズを確認しての無垢材オーダーメイドです。
建築用無垢材は材料の経年変化がありますが、
無垢材は質感が良いし、
集成材やランバー材の本棚よりはログハウスに合うと思います。
ハンドカットの加工はまず皮むきから。
杉の皮はむきやすく、ドローナイフを使うまでもないほどやわらかい。
いつもダグラス(米松)を刻んでいる我々からすると、このやわらかさは
作業効率的にちょっとウレシイ感じがする。
チェンソーもサクッと入ってく感じらしい。
とはいえ、今回の加工で使う丸太の数は約70本。
しばらくは地道な皮むき作業が続きます。
その間、「チーフ」と呼ばれる加工責任者は、
一本一本の素性とクセを見ながら、どのように使うのかを見定め、
その特徴を丸太と手元のメモに書き記していきます。
こうやって、本格的なログ積に入る前の段取りが続きます。
しかし、杉の木肌はとてもキレイです。
ハンドカットの荒々しさとキレイな木肌は想像以上にマッチするかも。
道南杉のハンドカット、加工状況は随時アップしていきます。
新十津川P&Bの外壁の塗り壁はコテ仕上。
その仕上げ方についての確認をするため、
塗る直前にあらためてサンプルを作ってみたのだ。
今回はわざとコテムラを出すランダム仕上げに決まった。
よく、素人が塗ると手造り感が出てちょうどいい味が出る、
なんていうけれどやはりどうしても下手くそ感が出てしまう。
キレイに仕上ないでランダムに塗る、といいながらも
結構ムツカシイのである。
左官職人は適当に塗っているように見えて、
塗り方のリズムを変えないで塗っている。
とても簡単そうに塗っているように見えるがマネできるものではない。
ランダムに見えてかつ細部はキッチリと仕上るのだ。
リズムが崩れないように素早く仕上げる、というのも重要である。
職人だからこそできるさりげない『技』なのだ。
今年の正月に読んだ本、「木に学べ」。
著者は故・西岡常一氏。
法隆寺金堂の大修理や薬師寺金堂の復元などで知られ、「最後の宮大工棟梁」とまで言われた方です。
この本では、宮大工としての技術や心構え、修理や復元に懸ける凄まじいまでの執念を語り尽くしていますが、その仕事に対する姿勢や思いは、宮大工だけにおさまらず、人生全般の教えにも通じるところがあります。
西岡氏は語っています。
「器用、不器用というのがあるんです。初め器用な人はどんどん前へ進んでいくんですが、本当のものをつかまないうちに進んでしまうこともあるわけです。だけれども不器用な人は、とことんやらないと得心ができない。こんな人が大器晩成ですな。頭が切れたり、器用な人より、ちょっと鈍感で誠実な人のほうがよろしいですな。」
この言葉に私は、はっ、とさせられました。
別に私は器用な人でも頭が切れるわけでもないのですが、ちょっとやっただけで分かったつもりになっていることが実は結構たくさんあるんじゃないのかなと。
『本当のもの』をつかむためのヒントを私に与えてくれました。
有名な本なので、今さら、という感じもありますが、宮大工や木造建築、木の家が好きな人はもちろんのこと、ビジネス書として読んでも教えられることの多い本だと思います。
職人にもよりますが、ポスト&ビームの丸太を刻む場合、一度に2~3本を1人でまとめて仕上げることが多いです。
丸太を簡単に動かせない分、自分が動かなければならないので、その動きを少しでも少なくするためです。
自動車や、電化製品の工場などでは、色んな工程を1人でこなすことができる職人がいて、工程によっては分業で流れ作業にするよりも、早くて高品質なものができる、というようなことを本で読んだことがあります。
人間でなければできないこと、っていうのは、一見すると、非効率のような感じがします。でも、人の手でなければできないこと、というのがあって、人がやるから、そこに工夫が生まれ、無駄がなくなるのです。無駄のない人の動きというのはある意味美しいし、それによって造られたものもまた美しく仕上がるのです。
手間をかけるほどいいものが造れる、ということもありますが、常に工夫し、無駄のない動きができることも「いい職人」の条件だと思います。
ログビルディングは皮むきから始まります。
私も最初は皮むきを何本もやりました。まずは一番外側に付いている厚い皮を手作業で剥ぎ取ります。私も最初見たときはびっくりしたのですがドローナイフで原始的にやるのです。その後、電動の反りカンナで表面を仕上ていきます。一人の作業本数は、丸太の径と長さによりますが平均径30cmで長さ12mの丸太だと、1日5本前後くらいでしょうか。
この皮むきの作業は経験した人でないとピンと来ないかもしれませんがかなりハードな作業なんですよ。でも丸太がキレイに仕上がっていくのはちょっとした快感でもありましたね、私の場合は。
そんな工程を経て並べられた丸太がこれから積み上げられていくのです。
これが騒音の元、ビルダーが使うチェンソーです。
けっこう重くて燃料満タンにすると5~6キロくらいあるでしょうか。ビルダーはこのチェンソーを、タテにしたりヨコにしたりして使っています。チェンソーのほかカンナ掛けの工具などもけっこう重くて、ずっと使っているとじわじわと腕にきます。ハンドピーリング(皮むき)も腕を使いますよね。とにかく重たい工具を持って仕事をしているのです。そのためかビルダーの腕はみな太いです。おなかは出てても腕だけは太くたくましいのです(笑)。